
写真・文=澤村 徹
KISTAR 28mm F3.2 Mのプロトタイプによる試写第2弾をお送りしたい。プロトタイプと言っても変更箇所は外観のみで、レンズ自体は製品相当だ。以降に紹介する作例が本レンズの実力と思ってもらって問題ない。
前回は「滲む広角」という点にフォーカスして紹介した。今回はその「滲む広角」をいろいろなシーンで使ってみた。晴れ、曇り、雨、そして夕暮れ。フィールドテストとまではいかないが、光や天候の違いでKISTAR 28mm F3.2 Mがどんな表情を見せるのか、紹介していこう。

一番の関心事は、開放の滲みがどう変化するのか、また変化しないのか、という点だろう。たとえばオールドレンズには、ハイライトがブワッと滲むレンズがある。しかし、光源や明るい場所がないシーンは実に大人しい。滲みが魅力のレンズとて、いつも滲むわけではない。
その点、KISTAR 28mm F3.2 Mは安心していい。いつでもどこでも滲んでくれる。




雨降りだろうが重い雲が敷き詰められていようが、開放なら無条件で滲む。ハイキーでもアンダーでも問答無用で滲みが生まれる。そのくせ絞り込むと、中心部から切れ味のいいシャープネスを見せる。結果として滲むのではない。設計段階から滲ませることを目的としているだけあって、撮影時は描写の変化が実にハンドリングしやすい。



逆光についてはそれなりにフレアとゴーストが発生する。絞るほどに光がきつくなるタイプのフレア・ゴーストだ。ただし、滲みとフレアが合わさって画面が真っ白……ということはない。むしろ逆光でもシャドウがよく締まるほうだ。逆光で絵作りが破綻することはない。

ここに掲載した写真はすべてデジタルM型ライカでレンジファインダー撮影した。被写界深度が深めのレンズなので、ピント合わせでシビアになる必要はない。絞りで滲み具合を調整しながら、気軽にスナップできる。撮影自体はイージーだが、出てくる写真はとびっきりの個性派。すごいレンズが現れたものだ。発売は2025年春頃の予定だという。







