写真・文=澤村 徹
キスター40ミリF2.4Mにレンズフードは必要だろうか。ミラーレス用のキスター40ミリF2.4にはドームフードが標準付属している。これは40ミリのパンケーキレンズにとってドームフード(通称フジツボフード)がお約束だからだ。ただし、キスター40ミリF2.4Mはライカ用レンズということもあり、フードが特に用意されていない。このレンズはシングルコートだが、オールドレンズとは異なり今どきのコーティングだ。逆光耐性はそれなりにある。描写性能について言えば、別にフードはなくてもかまわない。ただ、ライカにこのレンズを装着すると、何かかっこいいフードを付けてやりたいという気持ちになるのだ。
そこで今回はふたつの汎用フードを試してみた。キスター40ミリF2.4Mは43ミリ径のフィルター枠があり、ここに同口径のフードが装着できる。ひとつめはHaoge LH-S43Pだ。Haogeは中国のカメラアクセサリーブランドで、昨今質の良いレンズフードをいろいろと展開している。Amazonで購入できるので、見かけたことのある人も少なくないだろう。LH-S43Pは角型のスクリュー式フードで、ロックリングによって角型フードを傾きなくセットできる。また、レンジファインダー用のスリットがあり、レンジファインダーを覗いたときにケラレが最小限で済む。カラーはブラックとシルバーがあった。ここではレンズ本体のカラーに合わせてシルバーを組み合わせている。
ふたつめはユーエヌ製のスクエアーフード43ミリだ。このフードに既視感のある人はなかなかのライカ通だ。本製品はライカの広角フード12501がデザインモチーフになっている。12501はスーパーアンギュロン21ミリF3.4やエルマリートM 28ミリF2.8用のフードとして人気だ。どんなレンズでもこれさえ付ければライカっぽくなる、という御利益の大きなフードである。スクリュー式の角型フードだが、傾きを調整できるので安心だ。
最後にHaoge LH-S43Pを付けたライカM11をドレスアップしてみた。レザーケースとミリタリーストラップでガチドレスアップする一方、ラウンドフォルムを描いた角型フードがどこか力の抜けた雰囲気を醸す。この遊び心のあるスタイルが、キスター40ミリF2.4Mの甘い写りとどこか相通ずる気がするだ。
KISTAR 40mm F2.4 M
軽快なスナップに適したパンケーキスタイルのKLMマウントレンズです。距離計連動対応、フォーカシングレバーなど、レンジファインダー向けのレンズとしてこだわった造形になっています。レンズはミラーレス用のKISTAR 40mm F2.4と同等で、開放でソフトに、絞るとキレのある写りが楽しめます。