Kistar the other side 第30回
KFXマウントのKistar 40mm F2.4を試す

写真・文=澤村 徹

 

Kistarシリーズ4本目となるKistar 40mm F2.4は、KSEとKFX、2種類のマウントをラインアップしている。これまでKSEマウントをα7シリーズに付けて紹介してきたが、今回はKFXマウントのKistar 40mm F2.4を取り上げてみたい。

KFXマウントは言うなれば富士フイルムX互換マウントだ。富士フイルムのミラーレス機Xシリーズに装着できる。ソニーα7シリーズがフルサイズイメージセンサーであるのに対し、富士フイルムXシリーズはAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載している。フルサイズ機よりイメージセンサーがひとまわり小さいわけだ。そのためKistar 40mm F2.4を付けると、焦点距離は35mm判換算60mm(40mm×1.5倍)となる。周辺部がクロップされる分、画角が狭くなるからだ。これが絵作りにどう影響するのか。KFXマウントのKistar 40mm F2.4はここがポイントになるだろう。

KFXマウントは富士フイルムX互換マウントだ。富士フイルムXシリーズのボディに装着できる。ただし、電子接点はないため、電子的な連動はない。

小振りなX-S10にパンケーキレンズのKistar 40mm F2.4を装着。コンパクトなスタイルは常用したくなる。

今回用意したボディは富士フイルムX-S10だ。上位モデルのイメージセンサーを小型ボディに収めたモデルである。そのため、薄型軽量なKistar 40mm F2.4と相性がいい。ポケットに入るとまでは言わないが、レンズ交換式カメラのセットアップとしては相当コンパクトだ。気軽にスナップしたいという人にはかなり魅力的な組み合わせではないだろうか。

付属のドーム型フードを装着。フードも薄作りなので、スリムコンパクトなスタイルを妨げない。

描写面について見ていこう。Kistar 40mm F2.4は開放のソフトな写りが特徴だ。F4まで絞ると中心部が一気にシャープになるが、周辺部には柔らかさが残る。こうした個性がAPS-Cセンサーで引き継がれるかどうか、ここが気になる。実写してみると、開放のソフトテイストは健在。ピントの芯はしっかりシャープなのに、フワッと柔らかく滲む。F4まで絞ると画面の8割程度はシャープな写りだが、四隅にそこはかとなく甘さが残る。フルサイズ機より甘いエリアが狭くなるのは事実だが、F4の硬軟同居した写りは実感できるだろう。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/550秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW 開放はソフトフォーカス風のやさしい描写だ。中心部はちゃんと結像しているものの、フレアをまとってパステル画のようだ。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F4 1/300秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW F4まで絞ると表情が一転。硬質な描き方になる。それでも四隅はわずかに結像が甘く、緩急入り交じった描写がおもしろい。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/480秒 ISO160 AWB RAW 道端の自動販売機を撮っただけなのに、ほのかに滲むことで絵画的な雰囲気を醸す。これぞレンズの力だ。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F4 1/2000秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW 画面中央上部の重機にピントを合わせた。周辺部分でもしっかりと解像する。F4で撮ると抜けの良さが際立つ。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/4000秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW 35mm判換算60mm相当なので、画角的には標準レンズよりすこし狭い。特定の被写体だけをうまく切り取れる。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/1800秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW 開放はふわふわとした描き方だが、中心から少し外れた場所でも確実に結像してくれる。緩いだけでなく、扱いやすさも備えている。

X-S10 + Kistar 40mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/480秒 -0.67EV ISO160 AWB RAW アンダー目で開放撮影した。ダークでゆるふさというギャップがおもしろい。くすぶるようなシャドウが味わい深い。

いろいろなシーンを撮ってみたところ、APS-CイメージセンサーでもKistar 40mm F2.4の描写特徴はしっかりと感じることができた。希代のクセ玉パンケーキレンズを、富士フイルムXシリーズユーザーも堪能してほしい。

 

Kistar 40mm F2.4


Kistarシリーズ4本目となるパンケーキレンズです。ミラーレス機に直接装着できるように、KSEマウントとKFXマウントを採用しました。レンズ構成は3群4枚のテッサー型。開放F2.4とやや明るめに設計することで、オールドレンズテイストの甘い開放描写を実現しています。

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